はじめに
「在庫管理」は、大手企業においては、在庫管理は棚卸減耗の回避・欠品解消による売上増の観点から重要視される管理項目の一つです。
ただ、中小企業において、注力する価値がどこまであるのでしょうか？また、いざ行動に移す際に、何から手を付けるべきなのでしょうか？
本記事では、中小企業における在庫管理の重要性や改善のためのステップを解説していきます！
在庫管理とは？ ー中小企業が注力するメリットー
一般に、大企業においては、調達・在庫管理・生産・販売の4つの機能を横ぐしでみるためのサプライチェーンマネジメント（SCM）の専任部門があり、その中の在庫管理も重要機能の一つです。実際にSCMは、私が所属していたコンサルティングファームへの案件の主要トピックの一つでもあり、経営者の関心の高さが伺えました。
そんなSCMに含まれる在庫管理ですが、中小企業においても、その改善は非常に多くのメリットを生みます。例えば、以下のような点です。
- 欠品による機会損失の回避:
商品が品切れになることなく、常に適切な量を顧客に提供できるため、失注による機会損失を回避することが可能です。 - 配送リードタイム向上による顧客満足度の向上:
失注による機会損失といかない場合でも、配送リードタイムを短縮することで、顧客満足度を向上させることができます。 - 手元資金の改善:
過剰な在庫を抱えることなく、その分をキャッシュで保有することで、資金繰りが安定します。これまで、私がお付き合いした中小企業は在庫が過度に生じて、キャッシュを圧迫しているケースが非常に多いです。 - 在庫保有にかかるコスト削減:
保管のための倉庫賃料や在庫の減耗（廃棄・劣化）を減少させることで、発生するコストを削減することができます。 - 金融機関からの信頼性の強化:
削減により在庫回転率の経営指標が向上されるため、金融機関からの融資を取り付けやすくなります。
在庫管理改善の4つのステップ！
あるべき在庫管理を簡潔にまとめる以下のようなステップに分解できます。あなたの会社は現在どこまで取り組めているでしょうか。
- 現状の把握:
まずは現在の在庫の数量・状態が明確になっている状況が必要です。「あの倉庫に、2025年までに売るべき在庫が30~50個あったかも、、」ではなく、より正確に数量、販売・消費期限を調査しましょう。 - 在庫の年間・半期目標設定:
年間・半期ごとに目標とする在庫数量を、現在庫や売上・生産状況を基に無理のない範囲で設定しましょう。 - データの整理・見える化:
製品毎の在庫数や販売履歴、発注履歴など、関連データを整理の上、システム上で繋ぎ合わせ、ダッシュボード等で確認できるようにしましょう。 - 定期的な意思決定:
データを基に製造・販売・調達・在庫管理の責任者が揃い、在庫目標実現のために調達・生産計画の更新の意思決定が理想です。ただ、より小規模企業の場合は、まずは社長・在庫管理担当者で定期打ち合わせをしましょう。
中小企業が抱える典型課題
多くの中小企業で適切な在庫管理が難しい現状があります。その背景には以下のような要因があります。
- 在庫管理のための人手不足:
本来は在庫管理に専任の方を設置することが望ましいです。ただ。製造・販売などのより足元の活動に人員が必要であり、後回しにされるケースが多いのが実態です。 - 在庫見える化システムの欠如:
管理帳票を手書きで管理している企業にお会いしたことは流石にありませんが、エクセルで在庫管理しており社長や総務部長しか見方が分からず、社内で透明性が担保されていないというケースが散見されます。
課題解決のためのツール例！
管理効率化による人手不足の解消・在庫見える化の促進の2つの課題にアプローチするには、在庫見える化ツールの導入が得策です！その代表例と特徴を紹介します。
- ZAICO:
- クラウド型ソフト: ZAICOはクラウド型の在庫管理ソフトであり、PC/タブレット/スマホで利用可能です。
- バーコード/QRコード活用: 入庫・出庫処理、在庫量確認、棚卸などのスマートな在庫管理を提供し、バーコードやQRコードを活用できます。
- 外部システムとの連携: freeeやSalesforceとの連携が可能で、API連携も可能です。
- 低コスト: 専用機器の購入や初期費用が0円で導入のコストが低いです。
- はぴロジ（ECビジネス向け）
- EC物流自動出荷管理: はぴロジC物流自動出荷管理システムとして機能し、月間100件から15万件までの幅広いECの利用実績があります。
- システム連携: API接続により、各種システムとの連携が可能です。
- 在庫引当・出荷開始日設定の制御: 在庫の引当や出荷開始日の設定を制御することが可能です。
- ダッシュボード等の提供: ダッシュボード、ジョブ履歴、お知らせの確認方法などが提供されています。
まとめ
中小企業における適切な在庫管理は、その競争力を高めるための重要な要素となっています。紹介したITツールの導入にはIT導入補助金（別記事）を活用できる可能性もあるので、積極的な改善に取り組んでいきましょう！
